第45章

次の日、土曜日の昼。

昼食を終えた後、恋ちゃんは九条遥の手を引いて外に出て、国金プラザへと向かった。

国金プラザには、本屋がある。

恋ちゃんはそこで漫画を見たいと言い、九条遥は特に気にせず、子供を連れて行った。

本屋に入ると、恋ちゃんはずっと小さな腕時計の時間を見ていた。

しばらくすると、お腹が空いたからケーキを買いに行きたいと言い、また少しして、喉が渇いたからソフトクリームを買いに行きたいと言った。

その間、九条遥が列に並んで買い物をしている隙に、恋ちゃんは手すりに身を乗り出して、1階のホールを注意深く見つめていた。

「おじさんはまだ来ないのかな!」

彼女が小さな眉をひそめ...

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